家庭教師にはできない「家族のサポート」とは
子どもの成績を上げるためには学校や家庭教師に任せるだけではなく、家族のサポートも必要です。学校の先生や家庭教師は勉強を教える役割ですが、家族は子どもから勉強を教わることができます。人に何かを教えることは楽しいです。子どもに勉強を教えてもらうことで、教える楽しさを見つけてもらい勉強を好きになってもらえます。
得意なことや好きなことは誰かに教えたくなる!
得意なスポーツや好きなマンガのストーリーなど、自分が得意なことや好きなことは誰かに教えたくなります。子どもがサッカースクールに通っていれば、上手にドリブルするコツやシュートのときのボールの蹴り方を、サッカーが苦手な人に教えたくなるでしょう。同じように面白いマンガがあれば、まだ読んでいない人に好きなキャラクターや、ストーリーを細かく説明してくれます。これは自分の好きなものに共感してほしいからです。
好きなことを誰かに教えることは、そのジャンルの先生になれます。自分が好きなジャンルを詳しくない人に先生としてしゃべり、相手から「すごいね!」と共感されると嬉しくなります。そしてもっと教えてあげたいと、自分から新しい情報をインプットする好循環が生まれるようです。これを勉強に応用すると、勉強そのものが好きになります。たとえば歴史のマンガを読み織田信長が好きになります。信長の強さやキャラクター、部下に裏切られるという悲しい最期を誰かに教えたくなるようです。
この話に共感してあげるともっと教えたくなり、さらに信長に関する本を読むようになります。その本には当然豊臣秀吉や徳川家康も出てくるうえ、信長と室町幕府の関係や、仏教やキリスト教との向き合い方も書かれています。信長への興味から秀吉、家康へと移っていき、最終的には歴史そのものが好きになるようです。人に教えることはそのジャンルを好きになることと同じことです。
家庭教師にはできない家族のサポート
家族は子どもの生徒になることで、勉強のサポートができます。家庭教師は子どもの先生です。そして子どもは家庭教師の前では生徒です。家庭教師が詳しくないジャンルであれば子どもが先生として教えることができますが、勉強を家庭教師に教えることはできません。しかし家族であれば、子どもの勉強の生徒になれます。食事の時間などに、子どもの話を聞いてあげてください。
今、学んでいることを説明してもらい「へー!そんな勉強をしているんだ。もっと教えて!」と興味をもって話を聞きます。子どもは自分が先生として家族に教えている感覚になり、もっと話したくなります。家族に勉強を教えるために新しい知識を自ら学んでいくようです。人に教えるためには、自分自身で理解していないと上手に説明できません。頭で理解していることを言語化するのは難しいです。家族に教えているうちに自分が理解していない部分を自覚し、自ら進んで調べます。人に勉強を教えることは、自分の知識をアウトプットすることです。
勉強をアウトプットするメリットは「人に教える技術が上がる」「記憶として頭の中に定着する」「頭の中が整理される」の3つです。勉強を教えるためには、頭の中を整理し必要な情報を集めます。その情報を順序だてて組み立てることで、学んだことが頭の中にしっかり記憶されます。実際に紙に書いて情報を整理すると、不足している情報や新しい発見があるでしょう。そして家族に繰り返し教えることで、人に教える技術が上がります。勉強を教えることが上手くなればどんどん話したくなり、勉強が好きになります。
勉強にも「好きこそ物の上手なれ」が当てはまる
「好きこそ物の上手なれ」という言葉があるようです。人は好きなものに対しては熱心に努力するので、上達が早いという意味です。プロスポーツ選手も、競技が好きで好きでたまらないから上達します。他の人よりも練習し、一日中競技のことを考えているので上達のスピードは早くなります。人にやらされるわけではなく自分から率先して練習するので、うまくなるのは当然です。
これは勉強にも当てはまります。初めは苦手でまったくやる気のなかった勉強も、家族に説明することで少しずつ教える楽しさを覚えます。もっと教えてあげたいという気持ちで、さらに知識を吸収するようです。教える人数が増えていけば質問される機会も増え、質問に答えるためにさらに学んでいきます。
勉強を教えた人から感謝されたらうれしいです。「もっと上手に教えるにはどうすればいいだろう?」と自分から勉強しだすと、それは勉強が好きになっている証拠です。人は好きなことには没頭します。好きになることで、勉強も得意になります。
家庭教師にはできない家族のサポート方法を紹介しました。子どもに勉強を教えてもらうことで、コミュニケーションを取りながら勉強を好きになってもらえます。始めはなにげない会話の延長でいいと思います。徐々に生徒役になり「自分でも勉強を教えられるんだ!」と気付いてもらい、好きになってもらうことで勉強が得意になるでしょう。学校の先生や家庭教師では難しいことなので、ぜひ家族でサポートしてあげてください。